三階席のメモ

自身の備忘録。気まぐれで追加していきます。

2022-01-01から1年間の記事一覧

祇園祭礼信仰記

伝承 五代目中村雀右衛門 伝承 五代目中村雀右衛門 初演 平成21年5月は父の四代目雀右衛門から教わった。人形振りの型。 2回目 平成28年3月歌舞伎座で五代目中村雀右衛門襲名披露公演。四代目雀右衛門が最後に勤めた平成15年10月の時と同じ、人形振りではな…

伊志井寛

生没年 人物像 佐堂克実 生没年 1901年(明治34年)〜1972年(昭和47年) 人物像 佐堂克実 (無類の酒好きで知られ) 「先生は中村屋(十七世中村勘三郎)のヨーロッパ公演土産の銀の水筒にウイスキーの水割りを入れていつも持ち歩いていました」 (「新派四…

新派への憂い

森本健介・小川絵莉・田口守 森本 自分も年を重ねましたし、今の年齢を活かせる、そしてこの高齢化社会にも合った新作が欲しいですね。 小川 先輩たちがお元気なうちに、古典劇を後輩たちと共にご一緒したいです。”声が芸”の新派を伝承しなければ。 田口 僕…

水谷八重子

生没年 人物像 佐堂克実 生没年 1905年(明治38年)〜1979年(昭和54年) 人物像 佐堂克実 (よく役者側と劇場側に分かれて麻雀大会を開いていたそうで) 「麻雀は牌を摘む動作が腕の筋肉を鍛える効果があるので役者には向いているわ」と佐堂は聞かされたそ…

田口守

生年 入門 生年 1953年(昭和28年)10月5日 入門 「僕は、知り合いから水谷先生が”男手”を欲しがっているからどうか?」と誘われて、結果として八重子最後の弟子となりました。昭和52年『滝の白糸』(明治座)の傍聴人で初舞台。 「新派四季暦」『ほうおう』…

小川絵莉

生年 入門 生年 1958年(昭和33年)9月26日 入門 高校在学中にいずれは演劇の世界へと思っていた矢先、知人から「水谷八重子を見ずにいるうちは舞台俳優になる資格ないよ」と言われ、八重子出演中の新橋演舞場へ。「初めて見た新派に魅せられてしまいました…

森本健介

生年 入門 生年 1944年(昭和19年)2月6日 入門 新劇青年だったが「新劇では食えないよ」と言われ、知己を頼って伊志井の楽屋へ。「入りたいってぇのはお前かい。食えないよ。おいで」と伊志井に言われ、昭和四十二年明治座『続おはなはん』のお祭りの群集の…

佐堂克実

生年 入門 生年 1938年(昭和13年)1月9日 入門 親戚が石井ふく子(伊志井の長女、テレビプロデューサー、演出家)を知っていた関係で伊志井門下になる。昭和34年『山に生きる女』(新橋演舞場)の村人役で初舞台。 (「新派四季暦」『ほうおう』令和4年6月…

歌舞伎 その他

高橋睦郎 高橋睦郎 (就職したのが1962年で、職場の近所の歌舞伎座幕見へ通ったことについて) だから暇を盗んでは、幕見を利用して歌舞伎を観ていたんです。当時の幕見は確か五十円、いちばん安い昼定食が百三十円のときにですよ。あれは本当にありがたかっ…

文楽への憂い

高橋睦郎・山川静夫 高橋睦郎・山川静夫 高橋 歌舞伎だけじゃなくて、文楽にもいえることですが、若手はがんばっているんでしょうが、技術があっても情が足りない人が増えましたね。技術だけじゃ無理なのが日本の芸能というものでしょう。実生活が出てくるん…

歌舞伎への憂い

山川静夫・高橋睦郎 山川静夫・高橋睦郎 山川静夫 ぼくは声の商売だから、セリフ回しは特に気になります。吉右衛門は緩急、抑揚、速度、全て申し分ありませんでした。声の調節ができないから徹頭徹尾全力投球で声を張る役者が多くなり、最近は聞いていて疲れ…

十八代目中村勘三郎

人物像 高橋睦郎 人物像 高橋睦郎 あれだけ愛嬌を持っている人はいませんでした。当たり役はいろいろあるけど、ぼくは、十八代目の女方が好きなんです。 (山川静夫 おもしろい見方ですね。) 本当に女を愛してきた人だから、心から女になりきれたんじゃない…

七代目嵐徳三郎

人物像 高橋睦郎 人物像 高橋睦郎 徳三郎はぼくが台本を担当し、蜷川幸雄が演出した舞台『王女メディア』で、一時期主役をやってくれたんです。彼もやっぱり色気のある役者でねえ。十三世仁左衛門の仁左衛門歌舞伎で鍛えられ、歌舞伎以外でも活躍したのは、…

初代尾上辰之助

人物像 高橋睦郎 人物像 高橋睦郎 立役では辰之助(尾上辰之助)が忘れられません。あんなに男の色気のある人って見たことがないんですよ。亡くなる直前に雀右衛門が会わせてくれて、あまりの色気に驚いて。会ったあと雀右衛門に「いやあ、あの人とだったら…

四代目中村雀右衛門

人物像 高橋睦郎 人物像 高橋睦郎 山川静夫 その歌右衛門のことを尊敬していたのが、四代目雀右衛門です。歌右衛門とは三歳しか違わず同世代といってもいいのに、雀右衛門はつねに謙虚で歌右衛門を尊敬し、指導を受けていました」 高橋睦郎 なにしろ尊敬し続…

六代目中村歌右衛門

人物像 高橋睦郎 山川静夫 人物像 高橋睦郎 中曽根首相招待の会での、歌右衛門のあいさつを思い出します。(歌右衛門の声色で)「みなさん、最近はこの歌舞伎の若い方々もたいへんおえらくおなりになって、昔はちゃんと先輩方に習いに行ったんでございますけ…

當世流小栗判官

作品 作品 伝承 市川笑也 中世の説経節に源流を持つ小栗判官物の世界を取り込む。 ・初演 昭和58年7月歌舞伎座。 伝承 市川笑也 「旦那(猿翁)が『ザ・カブキ』(昭和五十六年・梅田コマ劇場)で和藤内をなさった時に、虎の後ろ足に入りました。その時の演…

夢の女

作品 伝承 田口守 小山典子 作品 ・永井荷風原作。久保田万太郎脚色。 ・「花柳十種」の内の一つ。 伝承 田口守 「花柳先生の初演、再演、うちの師匠(初代水谷八重子)の初演はまだ入団していませんでしたが、昭和五十四年国立劇場での上演に際に師匠が亡く…

四代目中村梅玉

人物像 ・重要無形文化財保持者に認定されてのインタビュー 「歌舞伎の本道を進み、品のある役者を目指さなければいけない」という父の教えを胸に歩んできたこれまでを振り返り (中略) 「父の教育方針は間違っていなかったと、今、さらに感じます」と心境…

松浦の太鼓

・作品 ・型 演出 ・伝承 2松本白鸚 ・作品 秀山十種の内の一つ。 ・型 演出 ・伝承 2松本白鸚 令和4年九月、二世中村吉右衛門一周忌追善の「秀山祭九月大歌舞伎」の第二部で、松浦侯を80歳で初役で勤めて。(大高源吾は初世白鸚、二世吉右衛門、仁左衛門の…